地震、台風、不審者の侵入――。
学校を取り巻くリスクは年々多様化しており、特に学校施設では「安全性の確保」がこれまで以上に重視されています。
建物の設計や部材の選定においても、時代の要請に応じた見直しが進められています。
なかでも近年注目されているのが、学校向けの強化ガラス製品です。
目次
なぜ学校施設のガラス安全性が重視されているのか?
学校におけるガラス破損事故は、実は多く発生しています。
たとえば、休み時間のスポーツ活動や日常の動線での転倒、誤ってガラスに衝突するなどのケースです。
従来使われてきた「フロートガラス」(普通板ガラス)は割れやすく、割れた際には鋭利な破片が飛散しやすいため、大きな危険を伴います。
このような危険性を踏まえ、学校施設のガラスには耐衝撃性・耐風圧性・破片飛散防止の性能が求められています。
特に強風や地震といった自然災害への備えは近年ますます重要視されており、安全かつ快適な学習環境を守るための対策が進められているのです。
【基礎知識】一般的なガラスの種類と特徴
ガラスは建築物や家具など、さまざまな場所で使用されています。
代表的な種類と特徴を簡単にご紹介します。
フロートガラス(普通板ガラス)

強化ガラス
複層ガラス(ペアガラス)

合わせガラス

スクールテンパとは?耐風圧性能に優れた学校用強化ガラス
スクールテンパは、旭硝子(AGC)が提供する学校用強化ガラスで、同じ呼び厚さの板ガラスの3倍以上の耐風圧強度を持つことが特徴です。
これは、通常ガラスに比べて高い強度を示し、強風や突風に対して優れた耐性を発揮します。
ガラスは熱処理により表面に圧縮応力層を形成し、通常の板ガラスよりも割れにくい構造になっています。
万が一割れても、破片は細かい粒状になり、飛散が抑えられるため安全性が高まります。
透明タイプのスクールテンパは、学校の教室や廊下、職員室の窓などに幅広く適しています。
また、プライバシー保護が必要な場合には、型板強化ガラスの「スクールミストロン」も選択肢に含まれます。


省エネ・快適性を追求した「スクールテンパ エコ」
近年、省エネへの意識が高まる中、学校施設でも冷暖房効率の向上が求められています。
スクールテンパ エコは、スクールテンパの安全性能を備えつつ、Low-E複層ガラスの断熱・遮熱性能を兼ね備えた製品です。
この複層構造により、夏季の暑さを軽減し、冬季は暖かさを保つことで室内環境を快適にし、冷暖房の負荷を軽減。
これがCO2排出量の削減にもつながり、環境負荷低減に貢献します。
教育環境の質向上と持続可能性の両立を実現するガラス製品です。

AGC「スクールテンパエコ」
https://www.asahiglassplaza.net/products/schooltemper
学校施設におけるガラス選定のポイント
学校の安全性を確保するため、ガラスはただ強いだけでなく、以下の要素も重要です。
- 耐風圧・耐衝撃性:自然災害や日常の衝撃に耐えられること
- 破片飛散防止:割れても大きな破片が飛び散らず事故を防ぐこと
- 快適性・省エネ:断熱・遮熱性能で室内環境を保ち、エネルギー効率を高めること
- メンテナンス性・コストバランス:導入コストと維持管理のバランスが取れていること
スクールテンパはこれらの条件を高いレベルで満たす強化ガラスとして、学校施設の窓ガラスに適しています。
まとめ|安全と快適を両立する学校用強化ガラスの選択を
「スクールテンパ」は、学校施設の安全性向上に不可欠な耐風圧性能と割れた際の安全性を備えた強化ガラスです。
また、省エネ性能を高める「スクールテンパ エコ」もラインナップされており、これからの環境配慮と快適性の両立を目指す学校に最適な製品と言えます。
学校関係者や設計者の皆様は、施設の安全性・快適性の観点からガラスの選定を見直し、子どもたちや教職員が安心して学べる環境づくりを進めていくことが求められています。

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お客様のニーズに寄り添い、最適なご提案をいたします。