ガラスの瓶ラムネ|ラムネが減少傾向にある理由

かつて日本の夏を彩った、ガラスの瓶ラムネ

ビー玉を栓にして開ける、あの涼しげな音と、シュワシュワと弾ける炭酸の爽快感。

昭和生まれの世代にとって、ガラスの瓶ラムネは忘れられない夏の思い出の一つではないでしょうか。

しかし近年、PET樹脂製のボトルが主流となり、店頭からガラスの瓶ラムネを見かける機会が減ってきているようです。

ガラス瓶の登場と普及

日本でガラスを用いたリターナブル(回収再使用)瓶が利用されるようになったのは明治に入ってからでした。

西洋文化の浸透と共に、ビール瓶、牛乳瓶、そして一升瓶などが作られ始めます。

当時、ガラス瓶は陶器の徳利(とっくり)に比べて密閉性が高く、透明で中身が確認できる便利な容器として重宝されていたようです。

初期のガラス瓶は一つ一つ手作業で吹き作られていましたが、工場での大量生産技術が導入され、昭和中期には、ビール瓶や一升瓶と共に、ラムネ瓶も庶民の生活に溶け込んでいました。

ラムネは夏祭りや花火大会などのイベントで特に人気があり、ガラス瓶の独特なビー玉入りのデザインは、令和の現代においても夏の定番の飲み物として広く愛されています。

出典:nagai.mypl.net

全てがガラスでできているラムネの瓶
口を付ける頭の部分もガラス製。

頭の部分が樹脂製の物は、まだ店頭で見かけることがある。

ガラス瓶のラムネが減少傾向にある理由

街中の酒屋の減少
かつては酒屋がラムネ瓶を回収し、洗浄業者に渡すシステム(リターナブル瓶)がありましたが、現代ではコンビニやスーパーが中心となり、リターナブル瓶の回収がほとんど行われていません。

消費者の利便性の重視
缶やペットボトルの容器が主流となり、家庭内消費でもこれらの容器が選ばれることが多くなっています。
これにより、ガラス瓶のラムネの使用率が減少しています。

環境保護とリサイクルの問題
ガラス瓶はリサイクル可能ですが、その処理には多くのエネルギーとコストがかかります。

また、破損しやすいガラス瓶の取り扱いには注意が必要であるため、軽量で処理が容易なプラスチックやアルミ缶にシフトする動きが広がっています。

“瓶”不足
ガラス瓶の不足が深刻化しています。
その背景には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響と、長期的な売り上げ減少への懸念による設備投資減などの要因が考えられます。

ガラスのラムネ瓶の海外人気

近年、ガラス瓶のラムネは海外から注目を集めており、”瓶”不足の要因の一つにあげられています。

ラムネはどのようにして海外で人気を博すようになったのでしょうか?

日本文化への関心
日本のアニメやマンガ、映画が海外で大きな人気を博しています。

これに伴い、アニメやマンガに登場するラムネにも注目が集まっています。

特に日本の夏祭りや縁日のシーンでは欠かせないアイテムとして描かれていることが多く、その影響で海外でも興味を持たれるようになりました。

・和食文化への関心

2013年12月にユネスコの無形文化遺産に登録された「和食」は、日本が誇る伝統の一つとして、国内外で注目を集めています。
登録以降、「ラムネ」にも徐々に注目が集まり、さらに人気が高まっています。

ユニークな体験
ラムネの開け方は、他のどの飲み物とも異なります。

このユニークな体験が、特にSNSを通じて広まり、話題となっています。
開ける瞬間の動画や写真が多くシェアされ、ますます興味を引く結果となっています。

まとめ

ガラス瓶のラムネが減少傾向にある背景には、複数の要因が絡み合っています。

その伝統と独特な魅力は依然として根強い人気を持っており、特定の場面やイベントでは今後も愛され続けることでしょう。

消費者やメーカーがどのようにこの伝統的な飲み物を現代に適応させていくかが、今後のラムネの未来を左右する重要なポイントとなるでしょう。

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