東京都渋谷区にある代々木深町小公園のトイレは、ただの公共施設ではなく、都市空間の美しさと機能性を見事に融合させた新しいデザインのトイレです。
このトイレは、建築家・坂茂(ばん しげる)氏が手掛けたもので、ガラスと調光フィルムを使い、従来の公衆トイレのイメージを一新しています。
ガラスの使用とその意図
代々木深町小公園のトイレの外壁には、全面的にガラスが使われています。
このガラスのおかげで、トイレの内部が外から見え、施設の清潔さや安全性を確認できるため、利用者は安心して利用することができます。
また、ガラスを使うことで、トイレが公園の景観と調和し、周囲と一体化した美しい外観を作り出しています。
ガラスを使うことで、従来の公衆トイレのように閉塞感や不安を感じることなく、開放的で明るい雰囲気が生まれます。
このようなデザインは、利用者がトイレを利用する際の心理的なストレスを軽減し、より快適に感じさせる効果をもたらしています。

調光フィルムの導入とプライバシーの保護
トイレを使用していない際、外から内部が見えることは良いですが、そのままでは使用できないため、もちろんプライバシーの保護も重要です。
そこで登場するのが「調光フィルム」です。
このフィルムは、トイレの中でロックをかけると、ガラスが瞬時に不透明に変わり、外から内部が見えなくなります。
これにより、利用者は安心してプライバシーを守りながらトイレを使用することができます。
環境デザインと持続可能性への配慮
代々木深町小公園のトイレは、美しさと機能性だけでなく、環境への配慮も重要な要素となっています。
外壁にガラスを使うことで、外から自然光を取り入れることができ、昼間は明るく開放的な空間になります。
さらに、夜間には内部の光が外に漏れ、周囲を優しく照らす役割も果たしています。
また、調光フィルムが日中と夜間でガラスの透過度を調整することにより、エネルギーの無駄を減らす設計がなされています。
このように、ガラスと調光フィルムの組み合わせが、自然光の利用とプライバシー保護を両立させながら、エネルギー効率も高めています。

ユニバーサルデザインとしての重要性
代々木深町小公園のトイレは、ユニバーサルデザイン(すべての人に優しいデザイン)を意識して作られています。
多機能トイレには、車椅子を使う人や高齢者にも配慮した設備が整っています。
このようなデザインは、全ての利用者に配慮したものと言えるでしょう。

まとめ
代々木深町小公園のトイレは、ガラスと調光フィルムを活用し、透明性とプライバシーを両立した革新的な公共施設です。
この技術は、オフィスの間仕切りや会議室など、さまざまな場所や建築物で活用できます。
光をコントロールできる調光フィルムとガラスの組み合わせは、開放感を維持しつつプライバシーを確保できるため、今後の建築デザインにおいて重要な役割を果たすでしょう。
こうした技術がさらに普及することで、より快適で機能的な空間づくりが進んでいくことが期待されます。
「THE TOKYO TOILET」
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