ガラスの透過率とは? 光が作る透過・反射・吸収の世界

窓ガラスや、ガラスのショーケース、スマートフォンの画面など、あらゆる場所でガラスを目にしています。
透明なガラスは何もない空間のように見えますが、実際には光の一部が反射され、一部がガラス内部で吸収されます。

この割合のことを「透過率」「反射率」「吸収率」と呼びます。
ガラスの透過率は、単に「透明かどうか」を示す指標ではなく、空間の明るさや視界の印象を左右する重要な値です。

この記事では、ガラスを通して光がどのように振る舞うのか、また、建築で使用される機能性ガラスの特徴まで含めて、透過率の内容を解説します。

ガラスの透過率とは

ガラスの透過率とは、入射した光のうちどれだけがガラスを通過して向こう側に届くかを示す割合です。

5ミリ厚の透明板ガラスの場合、透過率は約89.5%です。つまり、100%の光が入っても、約10%は反射や吸収によって失われます。

ガラスに光が当たると、同時に三つの現象が起こります。

  1. 透過:光がガラスを通り抜ける
  2. 反射:光がガラス表面で跳ね返る
  3. 吸収:内部で光の一部が熱エネルギーに変換される

ガラスの厚みが増すほど透過率はわずかに低下し、通過する光はわずかに緑色を帯びることがあります。これは原料に含まれる微量の酸化鉄によるもので、光の一部が吸収されるためです。

透過率は建築における明るさ設計や室内の雰囲気に直結します。高い透過率のガラスは自然光を効率的に取り込むため、日中の照明を抑え、省エネルギーに貢献します。

一方、透過率を低くしたガラスは、眩しさや熱の流入を抑制し、快適な室内環境やプライバシーの確保に役立ちます。

光の「透過・反射・吸収」イメージ
入射光
反射
透過
ガラス板
吸収

厚さや構造による変化

上述の通り、ガラスの厚さによって透過率は変わります。

例として、3ミリ厚の透明板ガラスは透過率が約90.4%、8ミリ厚では約89%、10ミリ厚では約88%です。
厚くなるほど光は吸収される割合が増え、向こう側はやや暗く感じられます。

複層ガラスでは、2枚のガラスの間に空気層があるため、透過率はさらに下がります。
5ミリ厚の板ガラスを2枚組み合わせた複層ガラスの場合、透過率は約80%、反射率は約14.5%、吸収率は約4.9%になります。反射は2枚分となるため、斜めから見ると反射像が二重に見え、ガラスの存在感が増します。

ガラスの認識と反射

ガラスを視覚的に認識する主な要因は、表面の反射光です。

ガラス表面の反射率は一定ですが、向こう側の明るさや背景の明度によって見え方は大きく変わります。
例えば、室内側が暗く、外が明るい場合、反射光が目立たずガラスがほとんど見えません。

逆に、室内が明るく外が暗い場合は、反射によってガラスの存在が強調されます。この特性は、建築設計や自動車の窓ガラス設計において重要な要素となります。

光の吸収とガラスの色

ガラスのわずかな緑色は、光の吸収によって生じます。

酸化鉄を含むガラスは、可視光の緑色以外の波長を吸収し、光の透過時に緑色の色味が残ります。

厚みが増すほど吸収率は高まり、透過率と反射率はわずかに低下します。このため、厚いガラスは見た目がやや暗く、色味も濃くなる傾向があります。

透明ガラスを重ねた場合はどうなる?

素朴な疑問として、ガラスを何枚も重ねたら透過率はどうなるのでしょうか。
結論として、透明なガラスを複数枚重ねると、透過率は指数関数的に減少します。

透過率90%の板ガラスを10枚重ねると光の通過量は約35%、20枚重ねると約12%になります。
厚みや反射の影響も加わるため、向こう側の景色はさらに暗くなります。

機能性ガラスによる光と熱の制御

建築では、透過率・反射率・吸収率を加工で調整した機能性ガラスが使用されます。

  • 熱線吸収ガラス:光や赤外線を吸収して室内への熱の流入を抑制する
  • 熱線反射ガラス:表面反射を高め、冷房負荷を軽減する
  • 低反射ガラス:反射を抑えて存在感を低減し、美術館のガラスケースや展示用に利用される

これらのガラスは、単なる板ガラスよりも高い機能性を持ち、快適性や省エネ、展示物の保護に貢献します。

まとめ

ガラスは単に「向こう側を透かして見せる」だけの透明な板ではありません。
そこには常に、透過・反射・吸収という3つの現象が作用しており、それらが組み合わさって私たちの目に映る視界や、空間を作り出しています。

こうした透過率の仕組みを知っておくことは、長く使い続ける空間をより価値あるものにするための大切な視点となるはずです。

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