ガラスにフィルムを施工することで、防犯、飛散防止、UVカット、断熱、目隠しなど、さまざまなメリットが得られます。
しかしその一方で、「熱割れ」という現象が起きる可能性があることをご存じでしょうか?
「フィルムを貼っただけでガラスが割れるの?」と驚くかもしれませんが、これは稀に起こり得る現象です。
頻繁に起こるわけではないものの、事前にリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
目次
熱割れとは?仕組みを知る
熱割れとは、ガラスに生じた温度差によって内部に応力が発生し、ひび割れが起きる現象です。
日光がガラスに当たると、部分的に温度差が生じます。
中央部は太陽熱で温まりやすい一方、サッシに覆われた端部や家具・カーテンで覆われた部分は温度が上がりにくく、結果としてガラス全体に不均一な熱応力が発生します。
この時、温まった中央部は膨張しようとしますが、冷たい端部はその動きに追いつけず、結果としてガラスにヒビが生じる、これが熱割れです。

特に「網入りガラス」と呼ばれるタイプのガラスは、熱割れしやすいことで知られています。
このガラスには中にワイヤーが入っており、高温になるとワイヤーが伸び縮みし、それが原因でガラスが割れてしまうことがあるのです。

ガラスフィルムが熱割れリスクを高める理由
ガラスフィルムは、断熱や遮熱などの性能向上に貢献しますが、熱の吸収と放散のバランスを変えることで、熱割れのリスクを高めるケースがあります。
特に、以下のようなフィルムは要注意です。
- 黒っぽいカラーフィルム
太陽熱を多く吸収し、ガラスに伝える熱量も増加します。
その結果、ガラス内部での温度差がさらに大きくなり、熱割れが発生しやすくなってしまうのです。
熱割れを防ぐ4つの対策
熱吸収率の低いフィルムを選ぶ
金属層を含むミラータイプのフィルムは、太陽光を反射する性質があるため、熱の蓄積を抑えることができ、結果として熱応力の発生も抑えられる傾向にあります。
また、透明タイプのフィルムも熱を吸収しにくい特性を持っており、ガラス表面の温度上昇を比較的穏やかに保つことができます。
熱割れ計算を行う
専門業者にて「熱割れ計算」を行うことで、リスクを数値的に把握できます。
窓周辺の環境を見直す
- カーテンやブラインドをガラスから離す
- エアコンの風がガラスに直接当たらないよう調整
- ひさしやオーニングの設置で直射日光をカット

万が一、熱割れが発生したら?
熱割れが起きてしまった場合は、以下の対応を取りましょう。
- 安全の確保:割れたガラスには近づかず、触らない
- 記録を残す:ヒビの形状や発生状況を写真で記録
- ガラス交換:早めに専門業者へ依頼する
まとめ|フィルム施工は「知識と対策」が鍵
ガラスフィルムは、私たちの暮らしをより快適に、便利にしてくれるアイテムです。
しかしその一方で、「熱割れ」というごくまれなリスクが存在するのも事実です。
だからこそ、適切なフィルム選びと熱割れ対策を徹底することが、安全で快適な建物づくりにつながります。
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