サステナブルな社会とガラス：環境負荷を抑え、持続可能な未来へ

2024 5/21

近年、地球温暖化や気候変動などの環境問題が深刻化し、持続可能な社会の実現が世界的な課題となっています。

SDGs（持続可能な開発目標）の掲げられた2015年以降、企業や個人も積極的にSDGsへの取り組みを始めています。

そんな中、「ガラス」という素材も、サステナブルな社会の実現に貢献できる素材として注目されています。

この記事では、サステナブルな社会とガラスの関係性について、その意義、課題、そして未来の可能性について詳しくご紹介します。

1. ガラスの持つサステナビリティ

ガラスは、サステナブルな社会の実現に貢献できる様々な特性を持っています。

(1). 環境負荷の低い素材

省エネルギー
ガラス製造には、金属などの素材と比べてエネルギー消費量が少なく、環境負荷を抑えることができます。

リサイクル性
ガラスは基本的にリサイクル率の高い素材であり、使用済みのガラスを回収して新たなガラス製品として再生することができます。

耐久性
ガラス自体は非常に耐久性があり、非常に長い寿命を持っています。
長持ちすることで、資源の無駄遣いを防ぎ、環境負荷を低減することができます。

(2). 環境に優しい建材としての活用

遮熱・断熱性
冬場の熱を外に逃がさず、夏場の熱を遮断する省エネ効果が期待できるガラス製品があります。
遮熱・断熱性の高いガラスを使用することで、建物のエネルギー消費量を削減することができます。

UVカット
紫外線をカットする機能を持つガラスもあります。
紫外線は、家具や床材を劣化させる原因となるため、紫外線カット機能付きのガラスを使用することで、家具や床材を長持ちさせることができます。

(3). 環境問題への貢献

省資源
ガラスは、砂などの天然資源を原料としていますが、リサイクルすることで資源の使用量を削減することができます。

廃棄物削減
ガラスは適切にリサイクルすることで、廃棄物となる量を減らすことができます。

2. フロートガラスのリサイクル：課題と現状

フロートガラスは、建築や自動車など幅広い分野で使用される代表的なガラス素材です。
しかし、近年注目されているリサイクルにおいては、他のガラス素材と比べていくつかの課題が存在します。

異なる成分の混入・色や種類の混ざり

ガラス以外の不純物混入がなければ、特に問題はなく原料としてリサイクルが可能であると考えらていますが、窓ガラス、鏡、自動車ガラスなど、様々な用途で使用されるフロートガラスは、色や種類も多様化しています。

リサイクルする際に、不純物、異なる色や種類のガラスが混ざってしまうと、新たなガラス製品の品質、色合いや特性が安定しなくなる可能性があります。

細かい破片の処理

使用済みのフロートガラスは、破損や解体によって様々な大きさの破片に砕けてしまいます。
リサイクルするには、これらの細かい破片を効率的に回収し、選別する必要があります。

しかし、現状では十分な技術や設備が整っていないケースが多く、リサイクル率の向上を阻む要因となっています。

コストの問題

上記のような課題を克服するためには、リサイクルするシステムの整備、高度な選別技術や洗浄技術が必要となります。

これらの技術開発や設備導入には多額の費用がかかり、リサイクルコストが高くなってしまうという課題があります。