防湿ミラーは、湿度の高い環境でも、鏡が腐食や劣化しにくいように設計された鏡です。
一般的な鏡(クリアミラー)との大きな違いは、鏡面に施された特殊なコーティングにあります。
これにより、浴室や洗面所、スポーツジムなど、湿度が高い場所でも長期間使用できる耐久性を持っています。
なお、防湿ミラーは「湿気を取り除く」ものではなく、湿度によるダメージを軽減するためのものです。
本記事では、防湿ミラーの構造や特長、使用時の注意点について解説していきます。
防湿ミラーとクリアミラーの違い
一般的な鏡は、ガラスの片面に銀を薄く塗布して作られます。
この銀の層は、ガラスの透明性を活かしながら反射面として機能するため、鏡として使用できます。
しかし、銀は空気中の酸素や湿度と反応して変色したり、腐食したりします。
そのため、通常の鏡には、銀の層の上に銅メッキを施し、さらに特殊な塗料で保護します。
このプロセスによって、鏡はある程度の耐久性を持ちますが、湿度の高い場所では次第に腐食が進む可能性があります。
対して、防湿ミラーは湿度に特化したコーティングが追加されています。
特に、湿気が入り込みやすい端や切り口部分にも特殊な処理を施し、長期間にわたり銀や銅の腐食を防ぎます。
これにより、防湿ミラーは浴室や洗面所など、湿気の多い場所で安心して使用できるのです。
防湿ミラーの特長
防湿ミラーの最も大きな特長は、湿度に対する高い耐性です。
通常の鏡と同様の美しい反射面を持ちながらも、湿度による腐食が起こりにくくなっています。
これにより、湿度の高い場所でも鏡の寿命を延ばすことができ、長期間使用できるというメリットがあります。
なお、防湿ミラーは特別なサイズや形状が求められない限り、既製品として入手可能ですが、大規模なスタジオやジムなど、サイズによっては特注が必要となることがあります。
防湿ミラーを使う上での注意点
防湿ミラーは湿度による腐食を防ぐためのものであって、湿気そのものを取り除くわけではありません。
そのため、湿度の高い環境下では鏡面が曇ることがあります。
特に、浴室での使用時には入浴中に曇りが生じやすく、鏡表面に水滴がつくことも多いでしょう。
このような水滴や曇りを放置すると、水道水に含まれるカルシウム塩やケイ酸塩が鏡に付着し、うろこ状の汚れが残ることがあり、この汚れは頑固で、簡単には取れなくなります。
防湿ミラーの寿命を延ばすためにも、なるべく正しい手入れを心がけることが大切です。
なお、手入れとして、化粧水や研磨剤などで鏡を拭くのはNGです。
化粧水には油分が含まれており、これが鏡面に残ると曇りの原因になります。
防湿ミラーと防曇ミラーの違い
防湿ミラーと似た製品に、防曇ミラー(ぼうどんミラー)というものがあります。
防曇ミラーは、鏡面に特殊な曇り止め効果が施されたもので、湿度の高い場所でも鏡が曇ることなく使用できるのが特長です。
防湿ミラーとは異なり、防曇ミラーは曇りにくさに重点が置かれています。
そのため、防曇ミラーも湿度の高い場所での使用が想定されており、一定の防湿効果も兼ね備えています。
ですが、防曇効果が必要ない場合や、湿度による腐食防止がメインの目的であれば、防湿ミラーが適しています。
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腐食(シケ)に強く、なおかつ曇り止め効果も欲しい場合は、「防湿ミラー」の表面に「曇り止めフィルム」の組み合わせがおすすめです。
防湿ミラーの効果で腐食(シケ)を防ぎ、曇り止めフィルムの効果でミラーの曇りはもちろん、日常の清掃の手間を省くことができます。
まとめ
防湿ミラーは、湿度が高い場所でも腐食や劣化が起こりにくいように設計された鏡です。
通常の鏡に特殊なコーティングを施し、湿気から鏡面を保護することで、長期間にわたり美しい反射を維持します。
しかし、湿気を完全に防ぐものではないため、適切な手入れが必要です。
特に、鏡表面に水滴が残らないようにすることで、うろこ状の汚れを防ぎ、鏡を長持ちさせることができます。
防湿ミラーの特長を理解し、正しい使い方と手入れを心がけることで、湿度の高い環境でも快適に鏡を使用することができるでしょう。
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