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普通板ガラスとフロートガラスの違いとは?
インターネットでガラスを調べてみると、窓や扉に使用されるガラスは「普通板ガラス」や「フロートガラス」などと呼ばれています。
「普通板ガラス」と「フロートガラス」一体何が違うのかと疑問に思ったことはないでしょうか。
結論から言うと、 「普通板ガラス」と「フロートガラス」この2つに違いはありません。
普通板ガラスとフロートガラスは同じガラスを指しています。
記事下部でも解説しますが、フロートガラスという呼び名は、ガラスの製造法に由来します。
一方、普通板ガラスという名称は、板ガラスの中で「最も一般的である」という意味が込められています。
つまり、フロートガラスは、板ガラスと呼ばれるカテゴリーに属しており、そのカテゴリーの中で最もポピュラーであるので、普通板ガラスといった名でも呼ばれているのです。
フロート板ガラスといった名称を目にすることもあります。
これも、フロートガラスと全く同じものであり、板ガラスであることを強調するためにあえて「板」を付けた名で呼んでいると考えられます。
建築・建設業界での呼ばれ方
ガラス屋と工務店のやり取りの中では、シンプルに「フロート」と呼ばれたり、
Floatを略した「FL」で注文されることが多いです。
発注やお見積でよくあるやり取りはこんな感じ
フロート6tでお願いします
厚さ6mmフロートガラス、承知しました!
FL10飛散防止貼りでお願いします
10mmフロートガラスに飛散防止フィルム貼り!了解!
このような感じで注文や見積り依頼を受けます。
棚板やパーテーション用のガラスとして大量に注文を受けることも多く、流通量は一番多いです。
そもそもフロートガラスってどんなガラスなの?
普通板ガラスとフロートガラスは同じものであるということは理解して頂けたことでしょう。
ところで、そもそもフロートガラスとはどんなガラスなのかご存じでしょうか。
フロートガラスは、最も広く普及しているガラスです。
私たちの身の回りを見渡せば、どこかしらで見つけることができます。例えば、窓ガラスや家具に取り付けられたガラスなどは、多くの場合、このフロートガラスが用いられています。
記事冒頭でもご紹介したように、フロートガラスは、フロート板ガラスや普通板ガラスといった名で呼ばれることがあります。
また、透明ガラスといった呼ばれ方もよくされます。
フロートガラスとは、みなさんがガラスと聞いて真っ先に思い浮かべる、最も一般的なガラスであると考えてまず間違いないでしょう。
フロートガラスの製造工程
冒頭でも少し説明しましたが、フロートガラスという呼び名はガラスの製造法に由来します。
現在、板ガラスのほとんどは「フロート法」という製造方法によって作られています。
フロート法によるガラスの製造方法
フロート法は、溶かした金属のスズの上に、溶かしたガラスの原料を流し込んで作られます。
ガラスの原料はスズに比べて比重が軽いため、溶解したスズの中に流し入れると、液体上部に浮かび上がります。
フロート(float)とは、日本語で「浮かぶ」という意味であり、これがフロートガラスという名の所以です。
フロートガラスの製法では、ガラスがスズの上に浮いた状態になり、自身の重みにより、キレイな平面が出来上がります。このフロート製法の手軽さにより、板ガラスが広く普及しました。
なお、フロートガラスの製法が確立する前から板ガラス自体は存在していました。
しかし、フロート製法誕生以前は、歪みをなくすために磨き加工をする必要があったりと、
方法でもキレイな平面は作れず、ガラスを磨くという作業が必須でした。
このように、板ガラスの製作はとても手間のかかるものでした。
一方、フロート製法では、最も手間のかかる研磨の作業が無くなります。当時の人々からすると、いかにフロートガラスが画期的なものであったのか想像に難くないでしょう。
フロートガラスから様々なガラスへの加工
これまでの説明で、フロートガラスは最も一般的な板ガラスの一種であることは理解できたことでしょう。
様々な建築物で欠かすことのできないガラスですが、ほとんどの建材用ガラスはこのフロートガラスを加工することで作られています。
強化ガラス
自動ドアやガラスのパーテーションなどに欠かせない強化ガラスはフロートガラスを加工して作られます。
フロートガラスに熱処理を行い、急冷することで
通常のフロートガラスと比較して約3~5倍の強度を持ちます。
複層ガラス
住宅に欠かせない「複層ガラス」は2枚のフロートガラスの間に空間(中間層)をもたせることで断熱性能を期待できるガラスです。
中間層に熱伝導率の低い「アルゴンガス」を封入したものや、中間層を真空状態にした「真空ガラス」など高い断熱効果が期待できる、住宅向けのガラスです。
合わせガラス
2枚のフロートガラスの間に合成樹脂の中間膜を挟み、熱と圧力で圧着したガラスです。
中間膜の厚みにより、「防災安全合わせガラス」と呼ばれ、
安全性の高いガラスとして、教育施設や公共施設で採用されることが多いです。
鏡
ガラスの片面に銀、銅の膜を施す加工をし、特殊膜で覆うことで鏡が作られます。
ガラスの透明度や歪みが鏡の映りに反映されるため、フロート製法による両面が平らで均一な厚みのガラスが不可欠です。
カラーガラス
化粧品売り場やオフィスのエントランスで壁材として使われることも多いカラーガラス。
フロートガラスの片面に様々な色の塗料を吹き付け加工することで、ガラス特有の高級感のある質感に仕上がります。
内装用ガラスのことはお任せください
フロートガラスはさまざまな呼び名があり、少しややこしく感じる方もいるでしょう。本記事で少しでもフロートガラスについて理解を深めて頂けたら幸いです。
ガラス工事.com工事/足立硝子ではシンプルなフロートガラスの配送、施工はもちろん
各種ガラス加工、フィルム貼りも行っております。
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