建築やリフォーム、インテリアガラスの設計において、意外と重要なのが「ガラスの重さ」
取り付け方法や運搬の方法、さらには安全性にも関わってくるため、あらかじめガラスの重量を把握しておくことはとても大切です。
この記事では、ガラスの比重やガラス重量の計算方法をわかりやすく解説します。
目次
ガラスの比重とは?
ガラスの比重とは、水と比べたときの相対的な重さを表した数値です。
一般的な建築用の板ガラス(フロートガラス)の比重は約2.5。
これは、同じ体積の水に比べて、ガラスは2.5倍の重さがあるという意味です。
この「2.5」という比重は、重量計算における基本数値として広く使われています。
強化ガラスや型板ガラスなど、種類によって微差はあるものの、建築用途ではこの数値で問題ありません。

ガラス重量の計算方法
ガラスの重量(kg)は、以下の式で計算できます
ガラス重量(kg)= ガラス面積(㎡) × ガラス厚さ(mm) × 2.5(比重)
計算例
以下のようなガラスを例にとります。
- 幅:750mm
- 高さ:1200mm
- 厚み:5mm
まず面積を計算します。
面積=750 ÷ 1000 × 1200 ÷ 1000 = 0.9㎡
次に重量を求めます。
重量=0.9 × 5 × 2.5=11.25kg
このガラスの重さは約11.25kgです。
【便利】ガラス重量計算ツール

厚さ別|ガラス重量の早見表(1㎡あたり)
以下の表は、1㎡あたりのガラス重量を厚さごとにまとめたものです。
設計や見積の目安に便利です。
厚さ(mm) | 重量(kg/㎡) |
---|---|
3 | 7.5 |
5 | 12.5 |
6 | 15 |
8 | 20 |
10 | 25 |
12 | 30 |
15 | 37.5 |
19 | 47.5 |
※上記は目安値です。製品差や構成要素(合わせガラス、複層ガラス等)によって誤差が生じることがあります。
よくある注意点
ガラス加工がある場合
ガラスに穴あけなどの加工が入ると、わずかに重量は減りますが、通常の重量計算ではその誤差を考慮する必要はほとんどありません。
あくまでおおよその重量把握を目的とした算出であれば問題ありません。
合わせガラス・複層ガラスの場合
合わせガラス(2枚のガラス+中間膜)や複層ガラス(ペアガラス)は、構成するガラスそれぞれの厚みを足して計算します。
たとえば「5mm + 5mmの合わせガラス」は、10mm厚相当として重量計算するとよいでしょう。
中間膜の重量は軽量なため、簡易的な計算であれば無視しても差支えありません。
ガラス重量が必要な場面とは?
ガラスの重さを知ることで、以下のような現場判断がしやすくなります。
- 吊り金物やフレームの強度設計
- ガラス運搬時の人員配置や道具の選定
- 取付下地の耐荷重確認
- 輸送費・梱包資材の見積もり
- 高所・屋外設置での安全対策
ガラスは薄くても重く、大きさや厚さが少し変わるだけで重量が大きく変化します。
トラブルを防ぐためにも、事前の重量確認は欠かせません。

まとめ
ガラスは見た目以上に重量があり、その重さは設計や施工、安全対策にも大きく関わってきます。
特に厚みがあるガラスや大型のガラスを使用する際は、取り扱いや取付金物の選定において、正確な重量の把握が欠かせません。
比重「2.5」という基本を押さえておけば、面積と厚さからおおよその重量を簡単に計算できます。
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