透明感のある佇まいと、光を柔らかく取り込む機能性——ガラスブロックは、美しさと実用性を兼ね備えた建材として、幅広い分野で活用されています。
現代の建築においても、意匠性と機能性を両立する素材として人気のあるガラスブロック。その魅力に迫ります。
目次
ガラスブロックとは?
ガラスブロックは、その名の通りガラスがブロック状になった建材です。
主に、内部が空洞になっているタイプと、空洞になっていないタイプの2種類があり、用途や求められる性能に応じて使い分けられています。
サイズやデザインも多岐にわたり、透明なものから半透明、カラー付きまで多彩なバリエーションがあります。

ガラスブロックの特徴
光とプライバシーの絶妙なバランス
「光を取り入れたいが、視線は遮りたい」というニーズには、ガラスブロックはその両方を叶える素材として、住宅や商業施設に適した選択肢となっています。
ノスタルジー×モダンの融合
レトロな印象を持つガラスブロックですが、現代の建築デザインやライティング技術と組み合わせることで、まったく新しい表現が可能になります。
特に照明との組み合わせによって、夜間に幻想的な外観を演出できます。
サステナビリティと環境配慮
再生ガラスを使用した製品もあり、サステナブルな建材として関心が高まっています。

実例紹介:世界のガラスブロック建築
Maison de Verre(フランス・パリ)
近代建築の傑作とされるこの邸宅は、1932年に完成。
外壁全体にガラスブロックを用い、日中は柔らかな光を取り込み、夜は内部の明かりがにじみ出る美しい光景を作り出します。
今なお、現役の建築物として使用され、時代を超えた素材の魅力を証明しています。

Maison Hermès(日本・銀座)
レンゾ・ピアノによる設計。
銀座の中心に建つこの建築は、約13,000個のガラスブロック(1辺約42.8cmの大型ブロック)を使用しています。
建物のファサード全体にガラスブロックが広がり、総面積はおよそ数百平方メートルにおよびます。
昼は自然光をやわらかく取り入れ、夜はブランドのアイデンティティを象徴する光の塔のように輝く、美しい光景を生み出します。
ガラスブロックのポテンシャルを現代建築に見事に落とし込んだ代表例です。

The Glass Fortress(タイ・バンコク)
Archismithが設計したこの建物は、まさに「ガラスの要塞」
約20,000個の比較的小さめのガラスブロック(1辺約20cm前後)を積み上げた外壁が特徴です。
外部からの視線を巧みに遮りながら、光を採り入れて内部空間を明るく保つ設計となっています。
昼夜で大きく表情を変えるファサードは、都市の景観に新鮮なアクセントを加えています。



出典:archdaily
建築的メリットと注意点
ガラスブロックは意匠性、採光やプライバシー確保など多様な機能を持つ建材です。
設計や施工には専門的な技術が必要であり、適切な工法を用いることで美しく機能的な空間づくりに貢献します。
新製品の登場と技術革新
近年、ガラスブロックの分野でも技術革新が進み、新しい製品が登場しています。
例えば、断熱性能や防音性能をさらに高めたタイプ、意匠性を強化したカラー・テクスチャー付き製品、軽量化や施工性を向上させた製品など、多様なニーズに対応したラインナップが広がっています。
これにより、従来の魅力に加えて、より快適で環境に配慮した空間づくりが可能となり、建築の可能性が一層拡大しています。
まとめ:光と空間を操る建材としての未来性
ガラスブロックは、単なる装飾材ではありません。
構造体の一部として、また空間演出の主役として、これからの建築にも十分対応し得る進化を遂げています。
昼と夜で異なる表情を見せるファサード。柔らかな自然光が満ちるインテリア。都市の喧騒をやわらげる静かな構造体。
そんな空間を求めるすべての建築プロジェクトにおいて、ガラスブロックは「選ばれる素材」として、その存在感を高めていくでしょう。
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