Low-E(ローイー)ガラスは、Low Emissivity glassの略称で、低放射ガラスとも呼ばれます。
これは、フロートガラスに特殊な金属膜をコーティングしたガラスで、冬場の熱を外に逃がさず、夏場の熱を遮断する省エネ効果が期待できます。
近年、建物の高断熱化が進む中、Low-Eガラスは省エネガラスとして注目されています。
Low-Eガラスの特徴
熱貫流率が低い
熱貫流率とは、窓ガラスを通して室内外の熱が伝わる速度を表す数値です。
Low-Eガラスは、フロートガラスに比べて熱貫流率が低いため、冬場は暖房効率が上がり、夏場は冷房効率が上がります。
結露が少ない
結露とは、窓ガラス表面に水滴がつく現象です。
結露は、室内の暖かく湿った空気が窓ガラスに触れて冷やされ、水滴になることで発生します。
Low-Eガラスは、フロートガラスに比べて表面温度が高いため、結露が発生しにくくなります。
紫外線をカットする
Low-Eガラスの中には、紫外線をカットする機能を持つものがあります。
紫外線は、家具や床材を劣化させる原因となるため、紫外線カット機能付きのLow-Eガラスを使用することで、家具や床材を長持ちさせることができます。
エコガラスについて
エコガラスは、一般社団法人 板硝子協会の会員であるAGC株式会社、日本板硝子株式会社、セントラル硝子プロダクツ株式会社の3社が製造・販売するLow-E複層ガラスの共通呼称です。
Low-Eガラスの種類
Low-Eガラスは、大きく分けて以下の3種類に分類されます。
遮熱タイプ
- 外側のガラスにLow-E膜をコーティングし、日射熱を反射することで、室内の温度上昇を抑えます。
- 夏場の冷房効率を上げ、省エネに貢献します。
- 日当たりが良く、西日が当たる場所におすすめです。
断熱タイプ
- 内側のガラスにLow-E膜をコーティングし、室内の熱を外に逃がすのを防ぎます。
- 冬場の暖房効率を上げ、省エネに貢献します。
- 日当たりが悪い場所や、結露が発生しやすい場所におすすめです。
遮熱・断熱複合タイプ
- 外側のガラスに遮熱タイプのLow-E膜を、内側のガラスに断熱タイプのLow-E膜をコーティングしたガラスです。
- 遮熱タイプと断熱タイプの効果を両立しており、夏場も冬場も快適な室内環境を実現できます。
- バランスの良い性能を求める方におすすめです。
Low-Eガラスのメリットとデメリット
メリット:
- 省エネ効果が高い
- 結露が少ない
- 紫外線をカットする(一部の製品)
デメリット:
- フロートガラスに比べて価格が高い。(ガラスのサイズや厚さによって異なります。)
また、デメリットではありませんが、設置場所によっては、逆に効果が薄くなったり、逆効果になる場合もあるため、設置場所には注意しましょう。
Low-Eガラスとフロートガラスの違い
Low-Eガラスとフロートガラスは、どちらも窓ガラスとして使用されるガラスですが、比較すると以下の違いがあります。
Low-Eガラス | フロートガラス | |
---|---|---|
熱貫流率 | 低い | 高い |
省エネ効果 | 高い | 低い |
結露 | 少ない | 多い |
価格 | 高い | 安い |
見た目 | ほとんど変わらない | ほとんど変わらない |
Low-Eガラスの見分け方
基本的にLow-Eガラスとフロートガラスは、見た目がほとんど変わりません。
専用の機器を用いて確認する方法もありますが、Low-Eガラスには、メーカーや型番が記載されている場合があるため、型番で検索すれば、そのガラスがLow-Eガラスかどうかを確認することができます。
または、確実な方法としてガラス業者に相談することをおすすめします。
まとめ
Low-Eガラスは、フロートガラスに比べて省エネ効果が高く、結露も発生しにくいというメリットがあります。
しかし、フロートガラスより価格は高いため、予算と建物の断熱性能などを考慮して選ぶ必要があります。
Low-Eガラスの導入を検討している場合は、ガラス業者に相談することをおすすめします。