空間デザインにおいて「鏡」が持つ可能性は無限大です。
スタンダードなミラーが光と広がりをもたらす一方、色味を持ったカラーミラーは、空間に深みと個性を与える特別な選択肢となります。
この記事では、カラーミラーがもたらす洗練された空間演出について、種類や加工例とともにご紹介します。
目次
カラーミラーとは?
カラーミラーとは、色付きのガラスに特殊な金属メッキを施したミラーです。
スタンダードなシルバーミラーが持つ強い反射と映り込みに対し、カラーミラーは周囲の素材や色と馴染みやすく、上品でモダンな空間を創り出します。
空間を広げる効果と映り込みの抑制
鏡が空間を広く見せる効果はよく知られています。
しかし、シルバーミラーの場合、その強い映り込みが、場合によっては空間の圧迫感や視覚的なノイズとなってしまうこともあります。
カラーミラーは、周囲の光や色を柔らかく反射するため、空間を広げつつも、映り込みが気になりにくいという特性を持っています。
特に、廊下やエントランスといった、スタンダードミラーでは映り込みが気になる場所でも、違和感なく空間を広げる効果を発揮します。
落ち着きと高級感を兼ね備えたその質感は、オフィスやホテルのエントランス、商業施設の壁面など、様々なシーンで採用されています。

カラーミラーの主な種類
カラーミラーは、その色味によって空間に与える印象が大きく異なります。
ここでは代表的なカラーミラーの種類をご紹介します。
- ブロンズミラー 温かみのあるブロンズ色が特徴です。クラシックな空間や、木材を多用したナチュラルな空間によく馴染みます。
- グレーミラー / ダークミラー(ブラックミラー) クールでモダンな印象を与えるグレー系のミラーです。
グレーミラー、ダークミラー、そしてより濃い色味のディープダークミラーなど、様々なトーンがあり、一般的にはブラックミラーとも呼ばれます。モノトーンの空間はもちろん、色彩豊かな空間においても引き締め役として効果的に機能します。



カラーミラーの加工例
面取り加工で生まれる煌めきと高級感
面取り加工とは、ガラスの縁を斜めにカットし、角度をつける加工のことです。
この加工をカラーミラーに施すことで、光の反射に複雑な変化が生まれ、より高級感のある印象を与えます。
面取り部分と加工されていない部分の色の濃さの違いや、反射面の角度が加わることで、一枚のミラーに奥行きと表情が生まれます。
さらに、細かく面取り加工されたカラーミラーを複数枚組み合わせて使用することで、一段と煌びやかな空間を演出することが可能です。
ホテルのロビーや高級レストランの壁面装飾など、特別な空間づくりに最適な加工と言えるでしょう。


表面加工で質感を操るー「タペ」「パール」
カラーミラーの表面に特殊な加工を施すことで、独特の質感や表情を持たせることができます。
代表的な加工として「タペ加工」や「パール加工」があります。
- タペ加工 表面を艶消し状に加工する技術です。光の反射を抑え、ざらりとした独特の質感が生まれます。
- パール加工 白く滑らかな艶消し表面に仕上げる加工です。
特にグレーミラーやブロンズミラーにパール加工を施すと、元々の色味や風合いが大きく変化し、柔らかな光を放つような、これまでにない質感を創り出すことができます。
これらの表面加工と面取り加工を組み合わせることで、光と影、そして反射の違いが生まれ、デザインにさらなる深みを持たせることが可能になります。
表面加工されていないミラーと貼り合わせることで、さらに表情豊かな壁面デザインを創出することもできます。

Pickup製品:日本板硝子のカラーミラー
日本板硝子株式会社では、高品質なカラーミラーをラインナップしています。
ブロンズ、グレー、ダーク、ディープダークの4品種を取り揃え、様々な空間演出に対応します。
日本板硝子のカラーミラーは、その優れた品質と美しい仕上がりで、オフィスやホテルのエントランスなど、様々な空間で採用されています。
詳細については、日本板硝子株式会社のウェブサイトをご参照ください。
【日本板硝子】カラーミラー
https://nsgss.co.jp/product_list/naisou/mirror/473
まとめ
カラーミラーは、空間の印象を大きく左右する重要なデザインツールです。
スタンダードなシルバーミラーでは表現できない、落ち着きのある上品さ、モダンな高級感、そして空間を広げる効果を、カラーミラーはもたらします。
この記事でご紹介したカラーミラーの種類や加工例が、皆様の今後のプロジェクトにおける空間デザインのヒントとなれば幸いです。
空間の可能性を広げるカラーミラーを、ぜひご検討ください。