カラーガラスは、建物の内装を彩るガラス素材として、幅広く採用されています。
ガラスならではの透明感と、その背面に施された特殊塗装が織りなす色彩は、他の壁材やパネル材では代替できない独自の高級感を備えています。
今回は、カラーガラスの基礎知識から、質感による印象の違い、そして理想の空間を形にする特注対応まで、その魅力を解説します。
目次
多くの建物でカラーガラスが選ばれ続ける理由
カラーガラスとは、ガラスの片面に特殊な塗料をコーティングした内装用ガラスです。
単に表面に色を塗った板ではなく、ガラスの厚みを透過して色彩を見ることで、深みのある発色と上質な光沢が得られるのが最大の特徴です。
圧倒的なメンテナンス性
基本的にガラス表面は水分や油分を吸収しません。
汚れが付きにくく、万が一汚れてもサッと拭き取るだけで元の美しさを取り戻せます。
そのため、高い衛生環境が重視される公共施設などで非常に重宝されます。
時を経ても変わらない耐久性
特殊な塗料を使用しており、施工時には塗装面を壁側に密着させるため、色あせや剥がれが極めて少なく、施工時の鮮やかな色彩を長期間維持することが可能です。
空間を広く明るく見せる演出効果
ガラス特有の反射は、空間に奥行きを与え、室内を明るく広く見せる効果があります。
窓のない通路やエントランスでも圧迫感を軽減し、開放的な雰囲気を造り出します。
質感と機能で選ぶカラーガラスのバリエーション
カラーガラスは、使用するガラスの種類や表面の加工によって、その表情を大きく変えます。
ここでは、日本板硝子(NSG)の製品ラインナップを例に、それぞれのシリーズが持つ個性を見ていきましょう。
濁りのない純粋な発色を追求した「ピュアカラー」
カラーガラスにおいて、最も基本でありながら難しいのが「色の再現性」です。
通常のガラスは鉄分を含んでいるため断面がわずかに緑色を帯びていますが、このピュアカラーではその鉄分を極限まで取り除いた「高透過ガラス」を使用しています。
ガラス自体の色味が干渉しないため、ホワイトやパステルカラーといった繊細な淡色も、塗料本来のピュアな色調としてクリアに表現できるのが強みです。



ソフトなマット感で上質を纏う「シルキーカラー」
ガラス特有の輝きや反射をあえて抑えることで、今までにない落ち着きある空間を造り出すのが「シルキーカラー」です。
高透過ガラスの表面に微細な凹凸を施すことで、まるでサテンやシルクのような、しっとりと滑らかな質感を実現しています。
このシリーズの大きな魅力は、照明の光をやわらかく拡散させる点にあります。
壁全体が優しく発光しているかのような幻想的な演出が可能で、光のギラつきがないため、寝室やラウンジといったリラックスが求められる空間に最適です。



深みのある艶消し仕上げ「タぺピュアカラー」
発色の良さとマットな質感を高い次元で両立させたのが「タぺピュアカラー」です。
これは高透過ガラスを使用したピュアカラーの表面に、さらにフロスト処理を施した製品で、色彩の鮮やかさを残しながらも、落ち着いた表情を見せてくれます。
通常のカラーガラスに比べて反射が穏やかなため、周囲のインテリアと馴染みやすく、モダンで上品なアクセントとして重宝されます。



重厚な金属の質感を表現した「メタリックカラー」
ガラスでありながら、金属(メタル)の持つ重厚感と気品を追求したのが「メタリックカラー」です。
特殊な無機顔料を塗料に添加することで、見る角度によって繊細に表情を変える、高級感あふれるメタリックの輝きを実現しています。
いわゆる鏡のような強い反射とは異なり、落ち着いた光沢を放つのが特徴です。
シルバー、グレー、ブロンズといった重厚なカラー展開に加え、アルミ粉のサイズによってステン系とメタリック系の2パターンが用意されており、マンションのエントランスやオフィスの受付など、建物の顔となる場所に確かな風格を与えます。



宝石のような煌めきを添える「メタシャインカラー」
圧倒的な華やかさと遊び心を持つのが、高輝性顔料を配合した「メタシャイン®」シリーズです。
この顔料はフレーク状のガラス基材に金属酸化物をコーティングしたもので、化粧品のリップグロスなどにも使用されるほど細やかで上質な輝きを持っています。
光が当たるたびにキラキラと表情を変えるメタシャインカラーは、空間にリズムと活気を与えてくれます。
他の落ち着いたトーンのカラーガラスと組み合わせ、アクセントとして一部に取り入れることで、ちょっとした特別感を演出するのに非常に効果的です。



【特注】オーダーメイド・カラーガラス
日本板硝子(NSG)では、既製品のラインナップにない特別な「色」や「仕様」が必要な場合でも、特注制作に対応しています。
独自の調色技術で「理想の1色」を
日本塗料工業会(日塗工)やPANTONE(パントン)などの品番から調色を行うため、既存の家具やコーポレートカラーと完全に色を合わせることが可能です。
また、単なる色の再現に留まらず、独自の塗装技術を駆使したカスタマイズも可。
1枚のガラスに2色を塗り分ける多色塗装や、ミラーとカラーを組み合わせたハイブリッドな特殊塗装など、既製品にはない意匠性の高い製作に対応しています。

まとめ:カラーガラスで内装デザインに付加価値を
カラーガラスは、その優れた耐久性とメンテナンス性、そして多彩な表現力によって、現代のあらゆる建物で欠かせない内装材となっています。
純粋な発色を求めるならピュアカラー、柔らかな質感を重視するならシルキーカラー、重厚な高級感ならメタリックカラー、そして唯一無二の個性を表現するなら特注カラー。
それぞれの個性を理解し、空間の用途に合わせて選択することで、内装の完成度は飛躍的に高まります。






























