防煙垂れ壁がないとどうなる? 火災時のリスクについて考える

防煙垂れ壁は、火災発生時に煙の拡散を抑制し、避難時間を確保するために設置される重要な設備です。しかし、防煙垂れ壁が設置されていない建物も多く存在します。

今回は防煙垂れ壁がない場合、火災発生時にどのようなリスクが生じるかを考えてみたいと思います。

煙の拡散による視界不良

防煙垂れ壁がない場合、煙は建物全体に急速に拡散する可能性が高まります。
煙によって視界が遮られると、避難経路が不明になり、避難が困難になります。

特に、高層階の建物の場合、階段や廊下などの避難経路が煙で塞がれてしまい、命を落とす危険が高くなります。

延焼の拡大

防煙垂れ壁は、火災区画を形成し、火災の延焼を抑制する役割も担っています。
防煙垂れ壁がない場合、火は壁や天井を伝って隣の部屋や階に燃え広がり、被害が拡大する可能性があります。

※図:防煙垂れ壁が火災の延焼・煙を抑制する役割

出典:www.idastech.com.sg

避難時間の短縮

防煙垂れ壁がない場合、煙によって視界が悪化し、避難が困難になるため、避難時間が短縮されます。火災は発生してからすぐに猛烈に燃え広がるため、迅速な避難が重要です。

防煙垂れ壁は、避難時間を確保することで、命を救う可能性を高めてくれます。

一酸化炭素中毒の危険

火災が発生すると、一酸化炭素という有毒ガスが発生します。
一酸化炭素は無色で無臭のため、気づかぬうちに吸い込んでしまい、中毒を起こす可能性があります。

防煙垂れ壁は、一酸化炭素の拡散を抑制することで、中毒の危険を軽減することができる可能性があります。

経済的損失

火災によって建物や財産が焼損すると、多額の経済的損失が発生します。
防煙垂れ壁は、火災の延焼を抑制することで、損失を最小限に抑える効果があります。

法令違反

防煙垂れ壁は、建築基準法などで設置が義務付けられている場所があります。
防煙垂れ壁が設置されていない場合、法令違反となり、罰則の対象となる可能性があります。

まとめ

防煙垂れ壁は、命を守るために必要不可欠な設備です。
自分の命を守るために、そして周りの人の命を守るために、必要に応じて設置することが重要です。

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