ガラスには、一般的に普及しているものから、防災・防犯・省エネに特化した高機能なものまで多種多様な種類が存在します。
この記事では、代表的なガラスの一例をご紹介します。
目次
基本となる「板ガラス」
フロートガラス
フロートガラスは、建築用途で最も一般的に使用される板ガラスです。
製造には「フロート法」が用いられ、砂、ソーダ灰、石灰などの原料を高温で溶融し、液状のガラスを平滑な錫の浴上に流して均一に広げます。 その後、冷却炉で徐々に温度を下げることで、厚さが均一で平滑な板ガラスが完成します。
安全・防災・防犯に優れたガラス
強化ガラス
強化ガラス(テンパードガラス)は、通常の板ガラスを加熱して急冷することで、表面に圧縮応力を与え強度を高めた安全ガラスです。 この熱処理により、同じ厚さの通常ガラスと比べて約4~5倍の耐衝撃性を持ちます。
合わせガラス
合わせガラス(ラミネートガラス)は、2枚以上の板ガラスの間に中間膜(ポリビニルブチラール(PVB)など)を挟み込み、加熱・加圧して一体化させたガラスです。
網入りガラス
網入りガラスは、ガラス内部に金属製のワイヤーメッシュ(網)が組み込まれているガラスです。
この構造により、ガラスが割れた際に飛び散るのを防ぎ、火災時などの安全性を確保するために設計されています。 主に、防火ガラスとしての役割を持ち、ビルや商業施設、学校など、多くの建物で使用されています。
耐熱ガラス
耐熱ガラスは、高温環境に耐えられる特殊なガラスです。
防犯ガラス
防犯ガラスは、泥棒の侵入やガラス破壊を防ぐ、高いセキュリティ性能を持った合わせガラスです。
ガラスの間に、強靭な中間膜を挟み込み、熱と圧力で一体化させています。
断熱・遮音・機能性を重視したガラス
複層ガラス
複層ガラス(ペアガラス)とは、2枚のガラスの間に乾燥空気などを密封して作られたガラスです。
一般的なフロートガラス(単板)と比較して約2倍の断熱性能を持ち、現代の建築物で広く採用されています。
Low-Eガラス
Low-Eガラスとは、ガラスに特殊な金属膜をコーティングすることで、優れた断熱・遮熱性能を発揮する高機能ガラスです。
単板ではなく、主に複層ガラスと組み合わせて使用されることが多く、一般的に「Low-E複層ガラス」と呼ばれています。
防音ガラス
防音ガラス(防音合わせガラス)は、2枚のガラスの間に特殊な防音フィルム(中間膜)を挟み込んだ一体型構造です。
この中間膜が音の振動を吸収・散逸させ、特にコインシデンス効果による特定周波数帯の遮音性能低下を効果的に抑えます。
調光ガラス(スマートガラス)
調光ガラス(スマートガラス)は、電気のオン/オフで透明と不透明を瞬時に切り替えることができます。
意匠(デザイン)性、プライバシー保護に特化したガラス
型板ガラス
型板ガラスは、ガラス表面に凹凸や模様を施したガラスです。
透明なフロートガラスと比べて視線を遮る効果があり、プライバシー保護や装飾目的で使用されます。
デザイン性と機能性を両立させたガラスとして重宝されています。
すりガラス
すりガラスは、フロートガラスの片面に硅砂などを用いて摺り加工を施し、表面をつや消し処理した板ガラスです。
表面がマット状になることで、光を柔らかく透過しながら、視線をソフトに遮る効果があります。
フロストガラス(タペストリーガラス)
フロストガラス(タペストリーガラス)は、透明なガラスにサンドブラスト加工を施したあと、フッ酸処理で表面を滑らかに仕上げた半透明ガラスです。
光を柔らかく拡散し、プライバシー保護や装飾性を兼ね備えたガラスです。
カラーガラス
カラーガラスは、色彩豊かなデザインを実現するために、ガラスに色を加えた製品です。 ガラスそのものに色を混ぜる方法や、裏面に色を吹き付ける方法など、さまざまな製造技術によって作られています。
透明性を活かして光を透過させるタイプと、光を透過させないタイプの両方があり、用途やデザインニーズに応じて選ぶことができます。
特殊な技術を用いたガラス
高透過ガラス
高透過ガラスは、製造過程でガラスに含まれる鉄分の量を抑えることで、ガラス特有の青みを軽減し、より透明感の高いガラスに仕上げた製品です。
低反射ガラス
低反射ガラスは、その名の通り、表面での光の反射を抑えるために特別な加工が施されたガラスです。
通常のガラスは、表面で光が反射しやすく、映り込みやギラつきが発生することがあります。 この反射が視認性を損ねる原因となるため、展示物の美しさやディテールを伝えたいショーケースなどでは不向きです。
低反射ガラスは、この反射を最小限に抑えることで、クリアな視認性を実現し、展示物をより引き立てる効果があります。
曲げガラス
曲げガラスとは、平板のガラスを加熱し、金型の上で湾曲させて成形したガラスです。
直線的なガラスでは表現できない柔らかい造形を可能にし、建築やインテリアに独自の表情を与えます。
化学強化ガラス
化学強化ガラスは、特殊な化学処理によって通常の強化ガラスをはるかに上回る強度と耐久性を実現したガラスです。
薄くても驚くほど丈夫であり、建築や内装をはじめ幅広い分野で活用されています。
まとめ:最適なガラス選びを
ガラスには、光を採り入れるだけでなく様々な役割があります。
それぞれの特性を理解し、目的や用途に合わせた最適な種類を選ぶことが重要です。































