ホテルや温泉施設の浴室ガラス、鏡に付着する「白いウロコ汚れ」。
定期的に清掃しているはずなのに「どうしても取れない」 「以前より白く曇った印象がある」
こうした状態に悩まされている施設も少なくありません。
浴室まわりは利用者の目に触れやすく、施設全体の印象にも直結する場所です。
本記事では、ホテル・温泉施設ならではのガラスウロコの原因と、清掃だけでは解決しにくい場合の考え方について整理します。
目次
なぜホテル・温泉施設のガラスウロコは取れにくいのか?
水道水に含まれるミネラル成分の蓄積
ガラスや鏡に付着するウロコ汚れの主な原因は、水道水に含まれるカルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分です。
これらはアルカリ性の性質を持ち、水分が蒸発するたびに少しずつガラス表面へ残留・固着していきます。
ホテルや温泉施設では使用回数が圧倒的に多いため、汚れが短期間で蓄積してしまいます。
温泉成分がウロコをさらに硬くする
温泉施設特有の要因として挙げられるのが、温泉成分の影響です。
ミネラル成分に温泉成分が加わると、ウロコ汚れが非常に硬くなり、「石」に近い状態になることがあります。
この状態で無理に擦ると、ウロコは残ったままガラス表面だけが細かく傷つくといった状況になりやすく、結果として白く曇った印象だけが残ることもあります。
多くの利用者による皮脂汚れの影響
不特定多数の方が利用する施設では、水垢だけでなく皮脂汚れ(油分)が混ざり合い、ウロコ汚れをより強固にしているケースも見られます。
「ミネラル成分+温泉成分+皮脂汚れ」が重なることで、通常の清掃では落としきれない状態になってしまいます。

一般的なウロコ対策と注意点
軽度のウロコ汚れであれば、クエン酸などの酸性成分を使った清掃で改善することもあります。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- メラミンスポンジなど研磨性の高い道具の使用
- 強い酸性洗剤の長時間使用
これらは一時的に綺麗に見えても、ガラス表面に細かな傷を付けてしまい、かえって再付着を早める原因になることがあります。
清掃を続けているにもかかわらず白さや曇りが改善しない場合は、汚れではなくガラス表面そのものに変化(浸食や焼け)が起きている可能性も考えられます。

清掃で戻らないガラスが出てきたときの考え方
ガラスのウロコ汚れは、すべてが「落とせる汚れ」とは限りません。
長期間使用された浴室ガラスでは、表面の微細な傷、成分の浸食、曇りの定着が進行していることもあり、元の透明感まで戻らないケースもあります。
その場合、無理に落とそうとするよりも、「ガラスの状態を一度リセットする(交換する)」という判断が、結果的に管理面・見た目の両面で負担を軽くすることにつながります。

ガラス交換・工事という選択肢が有効なケース
- 清掃を続けても白さが改善しない
- 利用者からの印象(清潔感)が気になり始めている
- 定期清掃の手間や外注コストが増え続けている
- 浴室の改修・リニューアルを検討している
浴室ガラスを新しく交換したり、視線対策を兼ねた型ガラスに変更したりすることで、清掃負担を抑えつつ、施設全体のクオリティを長期的に維持することが可能です。
まとめ|無理に落とすより、次の一手を考える
「しっかり清掃しているのに改善しない」 その状態は、ガラスの役割を見直すタイミングとも言えます。
清掃を続けるのか、それとも交換・工事で根本から解決するのか。
状況に応じた判断を行うことで、清掃負担や施設の印象を、長期的に安定させることが可能です。































