近年、新築の住宅には、ほとんどで採用されている複層ガラスですが、リフォームする際に複層ガラスに変える場合やリフォーム専用の複層ガラスもあり、活躍の幅が広がっております。
今回は、複層ガラスは、どんなガラスなのかを紹介していきます。
目次
複層ガラスとは?特徴について
複層ガラスとは、複数のガラスを重ね、その間に乾燥した空気やアルゴンガスを封入したガラスです。
また中間層を真空にした商品もあり非常に高い断熱性を持っているものもあります。
※ペアガラスは複層ガラスと同じ意味ですが、二重サッシはまったく別のものになるので注意しましょう。
複層ガラスの特徴は、主に3つあります。
断熱効果
1つ目に断熱効果です。複層ガラスでは、単板ガラスに比べて約1. 7倍の断熱効果があると言います。
理由は、ガラスとの間の中間層にあります。一般的な断熱材と原理は同じで、密閉された空気は対流を起こすことがないので温度の変化を伝えづらくなります。
空気層が厚いほど、断熱性が高くなります。空気層は、一般的に6ミリから12ミリなどがあります。
近年では複層ガラスが、多様化しており、2つの空気層ができるトリプルガラスもあり、空気層を25ミリにすることも可能です。
さらに断熱性を上げるためにLow-Eガラスがあります。Low-Eとは、複層ガラスの内部に特殊な金属膜を貼ることで放射による熱を防ぐことができるものです。
冬期の室内のあたたかさを逃さないために室内側のガラスにLow-E膜を貼ることで通常の複層ガラスよりも高い断熱性にすることができます。
また室外側のガラスにLow-E膜を貼ることで夏場の日差しを大幅にカットすることもできます。
防犯効果
2つ目に防犯性ですが、空き巣のほとんどの侵入経路が「ガラス破り」です。
基本的には、通常の一枚ガラスに比べると複層ガラスは、防犯性は、高いですが、より防犯性を上げるために2枚のうち1枚を防犯ガラスや強化ガラスにすることで防犯性や災害に強くすることができます。
場所や用途によってガラスを変えることで性能を向上することができるのも複層ガラスの特徴です。
結露を防ぐ
3つ目に「結露を防ぐ」です。
結露は、外の気温によって窓ガラス付近の空気が冷やされ空気中に含まれる水蒸気が水に変わるためです。
しかし複層ガラスの場合、中間層の空気が熱を伝えにくくしているため室内温度の低下を防ぎ、結露がしにくい状態ができます。
通常の1枚ガラスの場合、冬場の室内の温度が20℃で外の気温が8℃以下になると結露が発生しますが、複層ガラス(ペアガラス)の場合-1℃以下にならないと結露が起こりません。(メーカーやブランドによって異なります。)
複層ガラスのメリット
ガラスを複層ガラスにすることで得られる2つのメリットをご紹介していきます。
省エネ効果
まず1つ目に省エネ効果です。
夏の住宅に侵入してくる熱のうち、窓ガラスを通して侵入してくる割合は約53%になります。
冬の住宅から逃げる熱のうち窓ガラスから放出される割合は約37%にもなります。
複層ガラスだと冷暖房にかかる負荷を軽減して電気代を抑えることができます。
多様な選択
2つ目にガラスを立地や用途に合わせて変えられることです。
例えば、西日が強く夏場は暑くなる部屋には、遮熱効果の高いガラスを採用することができます。
また1階の部屋には、防犯複層ガラスにすることで防犯性を高めることができます。
複層ガラスにすることで環境や経済的にも大きなメリットをもたらします。
複層ガラスの種類について
複層ガラスは、メーカーによって名称が変わるので注意しましょう。
AGC
AGCが提供する複層ガラスは、「ペアガラス」 Low-Eガラスは、「サンバランス」
AGCでは、リフォーム専用のペアガラスもあり、既存の1枚ガラス用のサッシでも複層ガラスに変えることができる「ペアプラス」があります。
日本板硝子
日本板硝子 が提供する複層ガラスは「ペアマルチ」 Low-Eガラスは、「ペアマルチEA」室外側ガラスにコーティングした高断熱Low-E膜が、室内の暖房熱は外に逃がさず、日射熱を室外へ適度に反射させることができる複層ガラスです。
また、真空ガラス「スペーシア」という商品があり非常に高い断熱性能を持っています。
その中でも「スペーシア21」は、断熱材に匹敵するほどの断熱性能が高いガラスです。
まとめ
複層ガラスは、住宅の性能を上げるだけでなく、経済的なメリットもあります。
近年では、リフォーム需要が高まっているため専用の複層ガラスに1日で交換することも可能です。
暮らしの質や安全性を上げるために複層ガラスは、導入する価値が大きいです。