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水族館の水槽の秘密!なぜガラスが割れないのか?
世界中の水族館の中で一番大きい水槽は、アメリカのジョージア水族館の水槽で、「オーシャンボイジャー」と呼ばれ、高さ8m、幅19mの大きさを誇っています。
水族館でこういった大きい水槽を観覧した時、「ガラスは簡単に割れてしまわないの?割れてしまったらどうなるの?」と疑問を持たれたことは誰でもあるかと思います。
安心してください。
水族館の水槽はガラスの厚みにボリュームがあり強度抜群です。
接合部分に切れ目がない、一枚のガラスで製造されており、万が一ヒビ割れを起こしても、キズが広がりにくく、飛散しにくいガラスなので安全です。
たった60㎝の長さのガラスで7500トンの水圧に耐えられる強度を有し、厚みも60cm以上の物が多いので、水槽内の回遊魚がぶつかっただけではそう簡単に割れません。
それでいて透き通るような透明度があり、柱やつぎめが存在せず、観覧を遮る邪魔な物がないので、色々な方向から回遊魚を楽しんでいただけます。
このガラスはプラスチックで作られた、「アクリルガラス」といいます。
アクリルガラスのここがすごい!
アクリルガラスは普通のガラスに比べて、劣化しにくく、割れる心配のない耐久性と透明度の高さがあります。
耐久性は、普通のガラスの10~15倍で、衝撃や紫外線に強く、約10数年使用していただけます。
透明度は、ヒトと物との間にガラスが存在していないのかと勘違いするほどです。
水族館の大きい水槽では、海洋生物と海中で遊泳しているような疑似体験を実感できるほど、透き通っています。
重量に関しては、普通のガラスの約半分と軽く、美術館やアート展などの高所での展示物にも採用されています。
もし落下してしまっても割れる危険性がほぼありません。
工場での熱処理や切断処理も容易で、デザイン性の高い変形した形なども効率的に加工できます。
各空間に適応した、曲がったり、穴があいたり、色の付いた個性的なアクリル作品を、制作できます。
このように、アクリルガラスの性能はとても優秀です。
水槽に使われるアクリルガラスの原材料
原材料は、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)が使用され、有機ガラスとも呼ばれています。
アクリル樹脂は、透明度の高い、非晶質の合成樹脂です。
スマートフォンカバーや自動車のライトカバーに使用されている物も同じ有機ガラスですが、原材料と製造工程が異なり、ポリカーボネートと呼ばれています。
アクリル樹脂はポリカーボネートに比べて透明度が高く、紫外線による劣化もほぼありません。
しかし、外部からの衝撃による耐久性は、ポリカーボネートに軍配が上がり、キズつきやすいのもアクリル樹脂の特徴です。
アクリルガラスの製造方法
製造方法はセルキャスト製法と押出製法があります。
セルキャスト製法は、アクリル樹脂を型枠に流し込む製法です。
サイズや色の種類もたくさんあり、切削加工もしやすく、厚みのあるものを製造できます。耐熱性もあり、高速で加工をしたい場合に適しています。
しかし大量生産に向かず、値段が高額です。
押出製法は、アクリル樹脂をローラーに流し込み、押し出す製法です。
セルキャスト製法にくらべて、切削加工がやりづらいが接着しやすく、大量生産に向いているので、値段は安くなります。サイズの企画、製造できる厚み、色の種類が限られてしまうのが、押出製法の難点です。
設置場所がポイント!アクリルガラスにも欠点がある
アクリルガラスは、割れにくいのですが表面にキズつきやすく、静電気を帯びるとホコリがつきやすくなります。
フロートガラスなどに比べ、直射日光などの熱に極端に弱いです。
耐熱温度が普通ガラスより、約20℃低いため、熱が加えられると変色と変形をおこします。
窓ガラスや風呂場のドアなど、常に熱をあびたり、外ざらしになり風あたりの強い場所へのアクリルガラスの設置は避けてください。
室内空間で直射日光や暖房が直接あたらない場所がオススメの設置場所です。
一般的にはボールペン、コンタクトレンズ、洋式トイレなどに加工したアクリルガラスが使われ、私たちの生活を支えてくれています。
注目されている使用方法の1つは、COVID-19(コロナウイルス)の飛散防止パーテーションやブロックスクリーンのアクリルでしょう。
接客業や製造業など企業または公共施設でのウイルスの感染防止対策に使用しています。
あなたの大切なヒトや共に働く仲間を守るためにアクリルガラスは活躍できます。
デザインやアート作品の制作にも使用していただけるので、色々な加工を施して取り入れていただけます。
制作できる作品の幅もグッと広がり、唯一無二で、あなたにしか生み出せない作品が作成できます。
アクリルガラスの設置場所や加工方法など使用内容でお悩みの方はどんなことでも気軽にお問い合わせください。
ご納得いくまで対応させていただきます。