火災発生時に、煙の流動を抑制し、避難時間を確保する重要な役割を果たすのが「防煙垂れ壁」です。
建築基準法では、「防煙区画を構成する壁」と定義されており、延床面積500㎡を超える特定の建築物に設置が義務付けられています。
防煙垂れ壁の役割
防煙垂れ壁は、天井から垂れ下がったように設置された壁状の防火設備です。
火災発生時に発生する煙は、上昇し、天井に沿って水平方向に拡散します。
防煙垂れ壁は、この煙の水平方向の拡散を抑制することで、避難経路を確保し、安全な避難を可能にします。
防煙垂れ壁の主な役割は以下の通りです。
煙の拡散抑制
火災発生時に煙の拡散を抑制することで、避難経路を明確化し、安全な避難時間を確保することができます。
火災区画形成
防煙垂れ壁は、火災区画を形成することで、火災の延焼を抑制することができます。
空調効率向上
防煙垂れ壁は、空調空間を分断することで、空調効率を向上させることができます。
【検証】防煙垂れ壁の煙抑制効果
防煙垂れ壁の煙抑制効果を模型で検証しました。
検証では、防煙垂れ壁を設置した区画と設置していない区画で、火災が発生した場合の煙の拡散状況を比較しています。
結果として、防煙垂れ壁を設置した区画では、煙の拡散が抑制され、避難経路が確保されていることを確認できます。
防煙垂れ壁がない区画での危険性
検証から分かるように防煙垂れ壁がない区画では、煙が瞬く間に全体に拡散します。
防煙垂れ壁がない区画では、以下の危険性があります。
視界不良による避難困難
火災発生時に発生する煙は、視界を遮り、避難を困難にします。
特に、高層階の建物では、階段や廊下などの避難経路が煙で塞がれてしまい、命を落とす危険性が高くなります。
延焼の拡大
防煙垂れ壁は、火災区画を形成し、火災の延焼を抑制する役割も担っています。
防煙垂れ壁がない場合、火は壁や天井を伝って隣の部屋や階に燃え広がり、被害が拡大する可能性があります。
一酸化炭素中毒
火災発生時に発生する一酸化炭素は、無色で無臭のガスであり、人が吸い込むと中毒を起こし、死亡する可能性があります。防煙垂れ壁がない区画では一酸化炭素中毒の危険性が高くなります。
防煙垂れ壁は、火災から人命や財産を守るために不可欠な防火設備です。
製品紹介|フェンスクリアー(防煙垂壁)
「フェンスクリアー」は当社(足立硝子)の不燃シート製の防煙垂れ壁です。
東日本大震災や熊本地震にて、ガラス製防煙垂れ壁が破損、落下する事故が多く発生したこともあり、軽量で割れることのないシート製防煙たれ壁への改修工事の依頼が増えております。
シートバリエーション
V -33(クリア)
・透明性90%以上
・静電気防止仕様でホコリがつきにくい
・不燃認定番号 NM-4502
V-111(スリガラス風)
・スリガラス風の仕上げ
・静電気防止仕様でホコリがつきにくい
・不燃認定番号 NM-3400
取付タイプ
・テンションタイプ
フレームのないシンプルなタイプでスッキリとして見えます。
一番の軽量タイプです。9mを超える場合は中間にタテブレスが必要になります。
・フレームタイプ
パネル式のため取付が容易です。
テンションタイプのものよりも風による影響を受けづらく、揺れを軽減させます。ガラスの垂壁とデザインが近いため、違和感なく設置できます。
・耐震工法
タテブレスを使用し、柱や壁に直接取付けないので建物の揺れに影響を受け難い取付法です。
天井の下地の状態によっては取付不可の場合があります。
当社では、お客様のご要望に合わせて最適な製品をご提案させていただいております。
施工のご依頼やご相談など、お気軽にお問い合わせくださいませ。