建物の窓やドア、店舗のショーケースなど、私たちの身の回りには多くのガラスが使われています。
透明で美しい素材ですが、衝撃や環境条件によっては突然割れてしまうこともあります。
実際にガラスが割れてしまったとき、「どう対処すればいいのか」「安全に片付けるにはどうすればいいのか」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。また、できればそもそもガラスが割れるリスクを減らしたいと考える方も少なくありません。
この記事では、ガラスが割れる主な原因を解説したうえで、割れにくくするための対策、そして実際にガラスが割れてしまった場合の対処方法について解説します。
目次
ガラスが割れる主な原因
ガラスが割れる原因はいくつかありますが、住宅や建物で多く見られるのは「外部からの衝撃」と「温度差による破損」です。
まず代表的なのが、台風や強風による飛来物など、外部からの「衝撃」です。
強風によって飛ばされた木の枝や看板、建材などがガラスに衝突すると破損する可能性があります。また、地震によって建物が揺れた際に窓ガラスへ力が加わり、ひび割れや破断が発生するケースもあります。雹(ひょう)が降った際にガラスが破損することもあり、自然災害はガラス破損の代表的な原因といえるでしょう。

もう一つの原因として知られているのが「熱割れ」です。
ガラスは温度が上昇すると膨張する性質がありますが、ガラス全体が均等に温められる場合は問題になりません。
しかし、ガラスの一部だけが強い日差しで温められたり、室内の暖房が局所的に当たったりすると、ガラスの内部で温度差が生じます。この温度差によってガラス内部に応力が発生し、結果としてひび割れや破損につながることがあります。
ガラスを割れにくくするための対策
ガラスは完全に割れない素材ではありませんが、いくつかの対策を取り入れることで破損のリスクを減らすことができます。日常的に取り入れやすい方法として知られているのが、飛散防止フィルムの施工です。
飛散防止フィルムはガラス表面に貼る透明フィルムで、ガラスが割れた際に破片が飛び散るのを防ぐ役割を持っています。ガラス自体の強度を大きく変えるものではありませんが、衝撃をある程度吸収する効果もあるため、結果としてガラス破損のリスクを軽減することにつながります。特に地震や台風といった災害時には、室内へのガラス飛散を防ぐ安全対策として多く採用されています。
また、台風などの強風が予想される場合には、雨戸やシャッターを閉めて窓ガラスを保護することも効果的です。外側から窓を守ることで、飛来物が直接ガラスに当たるのを防ぐことができます。シャッターや雨戸が設置されている住宅では、台風接近時に早めに閉めておくことがガラス破損の予防につながります。
さらに一時的な対策として、窓ガラスを段ボールやベニヤ板で覆う方法もあります。これらは長期的な方法ではありませんが、強風が予想される場合の応急的な保護として利用されることがあります。
割れにくいガラスを選ぶという方法
ガラス破損のリスクを減らす方法として、ガラスそのものの種類を見直すという考え方もあります。
現在の建築では、用途や安全性に応じてさまざまな機能ガラスが使用されています。ここでは、一般的なガラスよりも割れにくいとされる代表的なガラスを紹介します。
強化ガラス
強化ガラスは、ガラスを高温で加熱したあと急冷することで強度を高めたガラスです。一般的なフロートガラスと比較して、衝撃に対する強度が高いとされています。
また、万が一割れた場合にはガラスが細かい粒状になるため、鋭利な破片ができにくく、安全性が高いという特徴があります。店舗のガラスドアやガラスパーティションなど、人が接触する可能性がある場所で広く使用されています。
合わせガラス
合わせガラスは、2枚のガラスの間に樹脂製の中間膜を挟み込み、貼り合わせた構造を持つガラスです。
ガラスが割れた場合でも中間膜が破片を保持するため、破片が飛び散りにくく、窓が大きく開いてしまうのを防ぐことができます。この構造により、災害時の安全性や防犯性の向上が期待できることから、住宅の窓や建築用途でも広く採用されています。
防犯ガラス
防犯ガラスは、合わせガラスの構造を応用し、より強度の高い中間膜を使用したガラスです。バールなどの工具による打撃に対しても破壊されにくく、侵入までに時間がかかるため、防犯対策として使用されます。
住宅の窓や店舗のガラスなど、防犯性を高めたい場所で採用されることが多いガラスです。
ガラスが割れてしまったときの対処方法
どれだけ対策をしていても、ガラスが割れてしまう可能性を完全に防ぐことはできません。実際にガラスが破損した場合には、安全を最優先に行動することが重要です。
まず注意したいのが足元です。
割れたガラスは細かな破片が広範囲に散らばることが多く、透明で見えにくいため気づかずに踏んでしまう危険があります。そのため、片付けを始める前に靴やスリッパを履いて足を保護することが大切です。
次に、割れたガラスを慎重に片付けます。
大きな破片は手袋を着用したうえで回収し、小さな破片はほうきや掃除機などを使って丁寧に取り除きます。目に見えない破片も残りやすいため、掃除は念入りに行う必要があります。
窓ガラスが割れてしまった場合は、そのままにしておくと雨風の侵入や防犯上の問題が生じます。
そのため、ダンボールやブルーシートなどを使って一時的に開口部を覆うなど、応急的な処置を行うことが望ましいでしょう。
最終的には、ガラスの交換や修理を専門業者に依頼することが必要になります。
窓ガラスはサッシ構造やガラスの種類によって施工方法が異なるため、安全性や仕上がりを考えると専門業者による対応が安心です。
ガラスは対策と知識で安全性を高められる
ガラスは建築や生活空間に欠かせない素材ですが、衝撃や温度差などの影響によって割れる可能性がある素材でもあります。しかし、飛散防止フィルムの施工やシャッターの活用、強化ガラスや合わせガラスの採用など、適切な対策を取り入れることで破損リスクを抑えることができます。
ガラスは正しい知識と対策を取り入れることで、安全性を高めながら長く使用することができる建材です。































