窓ガラスや建築用ガラスには、同じ「2枚ガラス」と呼ばれる製品でも、性能や構造が大きく異なるものがあります。
特に代表的なものが「合わせガラス」と「複層ガラス(ペアガラス)」です。
一見するとどちらも2枚のガラスを組み合わせているだけに見えますが、実際には目的も性能も異なります。
本記事では、それぞれの構造や特徴、使い分けのポイントを解説します。
目次
2枚ガラスの代表格:合わせガラスと複層ガラス
2枚ガラスを使った製品には、大きく分けて「合わせガラス」と「複層ガラス」の2種類があります。
違いは、ガラス同士が密着しているかどうかと、ガラスが持つ主な性能や目的にあります。
合わせガラスとは
合わせガラスは、2枚以上のガラスの間に*中間膜(PVBなどの樹脂膜)*を挟み込み、加熱・圧着して一体化させたガラスです。
この中間膜の存在が、ガラスの安全性を大きく高めます。
例えば、合わせガラスは、割れても中間膜が破片をしっかり保持するため、破片の飛散や脱落のリスクが少ない傾向にあります。そのため、安全性が求められる場所等で広く採用されています。
また、中間膜の厚さや材質によっては、防犯性や防音性、さらにはデザイン性まで加えることが可能です。
カラーガラスや乳白色の中間膜を使えば、光の透過やプライバシー保護も調整できます。
複層ガラス(ペアガラス)とは
複層ガラスは、2枚のガラスの間に*空気層またはガス層(アルゴンガスなど)*を設けた製品です。
こちらは密着せず、ガラス同士が独立して存在する構造となっています。
複層ガラスの最大の特徴は断熱性能です。単板ガラスの約2倍の断熱効果があり、冷暖房効率を高め、結露を抑制することができます。
また、Low-Eガラスや特殊ガス層を組み合わせることで、さらに性能を向上させることも可能です。
なお、複層ガラスはガラス同士が密着していないため、飛散や衝撃に対する性能は採用するガラス特性により異なります。
合わせガラスと複層ガラスの違い
簡単にまとめると、合わせガラスは「安全性や付加機能」、複層ガラスは「断熱・省エネ」を重視したガラスです。構造上も明確に異なります。
- 合わせガラス: ガラスの間に中間膜を挟んで密着させた構造。 衝撃に強く、割れても破片が飛び散らない「安全性」や、防音・UVカットといった「付加機能」に優れています。
- 複層ガラス: 2枚のガラスの間に空気やガスの層を設けた構造。 熱を伝えにくくすることで、冬の寒さや結露を抑える「断熱・省エネ性能」に特化しています。
両者は単純に「どちらが優れているか」の関係ではなく、目的に応じて使い分けるものであることがお分かりになるかと思います。
どのガラスを選ぶべきか
ガラスを選ぶ際は、まず「何を優先するか」を明確にすることが大切です。
(例)
- 割れにくさや飛散防止、台風や地震への備えを重視する場合は合わせガラス
- 結露抑制や冷暖房費の節約、断熱性を重視する場合は複層ガラス
実はこんなガラスもある
ガラス製品には、合わせガラスと複層ガラスの特徴を兼ね備えたような製品もあります。
例えば、合わせガラスが持つ「防音性能」と、複層ガラス以上の「断熱性能」をひとつにまとめた*真空ガラス「スペーシア静」*などがその代表です。
「真空ガラス スペーシア静」は、真空ガラスのシリーズのひとつで、合わせガラスの特徴である「紫外線カット機能」や「防音機能」を備えています。紫外線カット率は約99.9%を誇り、これは通常の合わせガラスと同等の性能です。
特に防音性能については、JIS等級T-3(35等級)をクリア。室内外の音を35デシベルカットする高い効果を発揮します。
さらに、スペーシア静は合わせガラスの技術に加え、複層ガラスの最大の特徴である「断熱性能」も兼ね備えています。暖房で暖めた空気や冷房の涼しさを外に逃がしにくいため、冬の嫌な結露を軽減する効果も期待できます。

まとめ
同じ2枚ガラスでも、合わせガラスと複層ガラスでは目的も性能も異なります。
ガラス選びの際は、建物に求める性能を明確にし、最適なガラスを選ぶことが重要です。































