「強化合わせガラス」が選ばれる理由と活用例

建築用ガラスには、美観と同時に安全性や耐久性が求められる場面が少なくありません。

そうした用途に適しているのが強化合わせガラス」です。

このガラスは、「強さ」と「万が一への備え」を兼ね備えており、人の集まる場所や高所での使用において、信頼性の高い素材として選ばれています。

強化合わせガラスとは?

「強化合わせガラス」とは、強化ガラスを特殊な中間膜で貼り合わせた構造のガラスです。
中間膜には主にPVB(ポリビニルブチラール)などが使われ、ガラスが割れた際にも破片が飛び散りにくく、構造を保持する特性があります。

強化ガラス単体は、通常のガラスの3〜5倍程度の耐衝撃性を持つものの、割れると細かい破片になって崩れ落ちる性質があります。

これに対して、強化合わせガラスは割れても破片が中間膜に保持されるため、落下や飛散の危険が少なく、安全性の高い構造として評価されています。

強化合わせガラスが選ばれる理由

■ 割れても飛散・脱落しにくい

中間膜が破片をしっかり保持するため、ガラスが崩れ落ちるリスクが低減されます。
特に吹き抜けや高所など、人が下にいる空間での採用は、落下事故防止という意味で非常に有効です。

■ 強化ガラスよりさらに「安心感」がある

強化ガラス単体でも高い強度を誇りますが、破損時に一気に崩壊するリスクはゼロではありません。

強化合わせガラスなら、「割れにくさ」に加えて「割れた後の安全性」も備えているため、万一への備えを重視する設計に適しています

■ 法令や安全基準に適合しやすい

バルコニーの手すりや階段の落下防止ガラスなど、安全性に関する法的な制限がある場面では、合わせガラス構造の使用が義務化または推奨されています。

そのため、建築計画段階から強化合わせガラスが採用されるケースが増えています。

強化合わせガラスの活用例

■ 展望デッキ・ガラス手すり

高所での開放感と安全性の両立が求められる展望台や屋上テラスでは、転落防止・落下防止の観点から強化合わせガラスが採用されています。

景色を遮らない美しさと、安全性のバランスがとれた素材として、最も代表的な活用例のひとつです。

■ 吹き抜け部分

人の往来が多く上下階に空間が分かれている建物では、上部からの落下物対策として強化合わせガラスが適しています

耐衝撃性と飛散防止性能の両立が、建物全体の安全設計に貢献します。

■ 高層マンションのバルコニー・共用廊下

高所の屋外環境では、風や物の衝突による破損リスクがあります。
強化合わせガラスであれば、割れても破片が落下せず、居住者や通行人の安全を守ることができます。

また、中間膜による紫外線カットや遮音性といった付加価値もあるため、快適性の向上にもつながります。

ガラス厚と強度の関係について

強化合わせガラスを設計・選定するうえで重要な要素のひとつが、「ガラスの厚み」です。

■ 厚みが増すと耐衝撃性も向上

基本的に、ガラスは厚みが増すほど強度が高くなり、外的な衝撃や荷重への耐性も向上します。

例えば、人が寄りかかる場所や、強風が吹きつける屋外環境では、10mm以上のガラスが使用されることが多くなります。

■ 適正な厚みの選定が重要

一方で、ガラスが厚くなればその分重量も増し、施工性やコストにも影響が出てきます。
そのため、強度と施工性のバランスを考えた適切な厚み選定が不可欠です。

構造上、あらかじめ設計段階で荷重や安全基準に照らし合わせて、厚みと中間膜の仕様をセットで検討することが推奨されます。


まとめ|安全性とデザイン性を両立させるガラス

強化合わせガラスは、通常のガラスより高い耐衝撃性を持ちながら、割れた後の安全性まで考慮されたガラスです。

特に、高所や公共空間、人の往来が多い場所では、建築物そのものの安全性を大きく左右する要素として重要な選択肢となっています。

お問い合わせ

ガラスや鏡に関するお悩み、ご要望がございましたら、ぜひ足立硝子までご連絡ください。
お客様のニーズに寄り添い、最適なご提案をいたします。

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