すりガラスとは、普通の透明ガラス(フロートガラス)に金剛砂をつけたブラシなどでガラス表面に細かい傷をつける加工「サンドブラスト」を行うことで乳白色の半透明になります。表面は、ザラザラとした質感のガラスです。今回は、すりガラスの特徴や注意点を解説していきます。
目次
すりガラスの特徴と曇りガラスの違い
曇りガラスは、「型ガラス」「フロストガラス」「すりガラス」といった不透明ガラスの総称です。曇りガラス=すりガラスで一般的に浸透していますが、曇りガラスは、あくまで総称なので注文や説明の際は、気をつける必要があります。
すりガラスの特徴やメリットを解説していきます。
・細かい凹凸によって光が拡散する
すりガラスは、サンドブラスト加工をすることで表面に細かい傷ができるのですが、そこに光が当たることで乱反射が起こり光を拡散してくれます。また強すぎる光も抑えてくれる効果もあります。
・視界を遮ることができる
サンドブラストによって不透明になっており視界を遮る効果があります。
またマスキングなどを活用してぼかし加工をすればガラスの上半分を透明にして自由に調節することができます。
・デザイン性が豊富
すりガラスは、デザイン性に優れておりマスキングを利用することで多彩なデザインを作ることができます。また既存のガラスが割れてしまっても保管してデザインがわかる状態であれば同じデザインにすることができます。(できないデザインもあるので専門の業者に相談してください)
すりガラスの注意点
現在では技術進歩にすりガラスより性能が高いガラスがあります。そのためすりガラスの生産数は減少しています。すりガラスにもデメリットがあり使用する場所など注意する点を紹介していきます。
・水に濡れると透明度があがる
すりガラスは、細かい傷が入っているため水に濡れると透明度が上がってしまい目隠しの意味がなくなってしまいます。なので浴室やトイレといった水回りでの使用は、不向きです。
窓ガラスに使用すると結露で透明になってしまうので使用する際は、注意が必要です。
・衝撃に弱い
すりガラスは、フロートガラスに比べると割れやすいガラスです。それは、細かい傷が入っているのが原因です。また傷の入ったガラスは、強化ガラスに加工することもできません。すりガラスの多くは室内の建具などの利用に向いています。
・掃除(メンテナンス)が大変
すりガラスは、細かい凹凸があるためそこに汚れが付きやすいです。例えば素手で触ると手垢や指紋がついてしまいます。そして汚れを放っておくと焼けて拭いても綺麗な状態に戻すのは、難しくなります。汚れがついた際は、すぐに拭くなどしないといけません。
・熱衝撃(急激な温度変化)に弱い
すりガラスの耐熱温度は、約110℃ですが急激に冷やすことで110℃以下でも簡単に割れてしまいます。火元の近くの設置は、向いていないので注意しましょう。
これらのデメリットの対策として「フロストガラス」があります。メリットも多くあるので、すりガラスにする前に選択肢として検討してみてください。
すりガラスとフロストガラスの違い
フロストガラスとすりガラスの見た目は、ほとんど変わらないのですが質感や透け具合が少し違います。大きな違いは、手垢や汚れが付きにくいところです。すりガラスは通常サンドブラスト加工だけですがフロストガラスは、サンドブラスト加工のあと薬品処理することで加工面を滑らかにします。
凹凸をより細かくすることで手垢などの汚れが付きにくくなります。インテリアなので使う場合、ある程度強度が必要になります。すりガラスとは違いフロストガラスは、強化ガラスにすることもでき、強度をあげて様々な場所に利用することができます。
2回の加工をして性能が上がる分、すりガラスに比べると値段が高いのが特徴です。
すりガラスがよく使われる場所
・和室など建具
古民家の玄関や室内の建具に多く使われています。紙障子からすりガラスに変わっていった背景があります。
・パーティションや間仕切り
視界を遮り光を取り入れる効果もあります。またストライプ柄やグラデーションを付ければ透明性を調節できることから間仕切りなどに採用されています。
すりガラスの種類
すりガラスは、日本板硝子・AGCともに厚みは、2・3・5ミリがあります。
・すりガラスの最大寸法
AGC
2ミリ | 914×813 |
3ミリ | 1829×1219 |
5ミリ | 1829×1219 |
日本板硝子
2ミリ | 914×813 |
3ミリ | 1829×1219 |
5ミリ | 1829×1219・2134×914 |
またマスキングを使って様々なデザインガラスにすることも可能です。「ぼかし加工」などのデザインの種類が多く「ぼかし山水」など模様が入ったすりガラスが有名です。
まとめ
すりガラスは白く半透明になっているため光の拡散など様々なメリットがあります。デザイン性なども多様にありますが、すりガラス特性として扱いづらい部分もあるので注意が必要です。すりガラスの「ぼかし山水」などの模様は、和障子と相性がよく風情が出すこともできます。すりガラスを取り付けるときは、特性やデメリットを理解した上で検討してみてください。