ガラスへのコーキング|正しいやり方や選び方は?

ガラス工事の仕上げに欠かせない「コーキング(シーリング)」

見た目の美しさだけでなく、防水性・気密性・耐久性を左右する重要な工程です。
この記事では、「コーキング」と「シーリング」の違いから、正しい施工手順・材料選びのポイントまで、DIYにも役立つ内容で解説します。

コーキングとは?シーリングとの違い

「コーキング」も「シーリング」も、隙間や目地を埋めるための施工を指します。
しかし、実はこの2つには少しだけ歴史的な違いがあります。

正式には「シーリング材」

現在、建築分野での正式名称は「シーリング材(JIS A 5758)」です。
これは、建物の目地やすき間に充てんし、防水性・気密性を確保するための材料を指します。

「コーキング」はもともと油性材料

一方、「コーキング」という言葉は、1950年代に日本で普及した油性コーキング材(JIS A 5751)が由来です。
油性コーキングは展色材(天然樹脂やアルキド樹脂など)に鉱物質充てん剤を混ぜたもので、相対変位の少ない目地に使用されていました。
ただし、現在この規格は廃止
されており、実際の工事ではシリコンや変成シリコン系のシーリング材が主流です。

現場ではどちらも使われる

実際には同義語として扱われているのが現状です。したがって、「コーキング=シーリング」と考えて差し支えありません。

ガラス工事におけるコーキングの役割

ガラス施工では、コーキングは単なる“隙間埋め”ではありません。
次のような複数の機能を持ちます。

  1. 防水・気密性の確保
     窓枠とガラスの隙間を密閉し、雨水や風の侵入を防ぎます。
  2. ガラスの固定・緩衝
     硬いガラスが枠に直接当たらないよう、柔軟なクッション材の役割を果たします。
  3. 仕上がりの美観
     均一でなめらかなシーリングは見た目を大きく左右します。
  4. 耐久性の向上
     適切な材料選びと施工で、経年劣化を抑え、ガラスやサッシ(枠)の寿命を延ばします。

正しいコーキングの施工手順(DIYにも役立つ基本)

コーキングはシンプルに見えて、実はとても繊細な作業です。
以下の手順を守ることで、ムラのない美しい仕上がりが可能になります。

STEP1:下地処理

コーキングをする前に、ガラスや枠の汚れ、油分、水分をきれいに除去します。
汚れが残っているとシーリング材が密着せず、剥がれやすくなるので注意しましょう。

STEP2:マスキングテープで位置を決める

マスキングテープは、コーキングの仕上がりの直線性と見た目のきれいさを決める重要な工程です。

  • ガラス側、枠側ともに、どこまでシーリング材を塗るかを意識して貼る
  • テープの端は、後でヘラで押さえる位置の目安になります。

※テープの位置が近すぎたり離れすぎると、シーリング材が余分に残ったり、直線が波打つ原因になります。

STEP3:シーリング材を充填する

コーキングガンを使い、隙間に均一にシーリング材を押し出していきます

  • 空気が入らないよう、隙間の奥から押し出す。
  • 一度に長く塗ろうとせず、短い区間で少しずつ充填すると均しやすい。

STEP4:ヘラで均す

充填後、シリコンヘラや指で表面を均します

  • ヘラの角度や圧のかけ方によって、仕上がりの平滑さが変わります。
  • テープの端に沿ってヘラを滑らせると、きれいな直線に仕上がります。
  • 丸みのあるヘラは角度が多少変わっても使いやすく、初心者でも扱いやすいです。

STEP5:マスキングテープを剥がす

シーリング材が乾く前にテープを剥がします。
乾いた後に剥がすと、端がめくれて仕上がりが荒れるため注意してください。

よくある失敗例と対策

  • テープが離れすぎる場合
    → シーリング材が余分に残り、後で修正が必要になる
  • テープが近すぎる/枠内に入ってしまった場合
    → シーリング材がテープにくっつき、波打った仕上がりになる
  • 下地が汚れている場合
    → シーリング材が剥がれやすくなる

解決策

  • 充填前にヘラをあてて、どこに当たるか確認する
  • テープの位置を微調整してから施工
  • 下地処理を徹底する

コーキング材(シーリング材)の選び方

ガラスまわりに使用するコーキング材には、用途や環境に合わせた種類を選ぶことが大切です。

種類特徴主な用途
シリコン系耐候性・耐熱性が高く屋外向き。酸性タイプは金属腐食に注意。ガラス、サッシ、浴室まわりなど
変成シリコン系塗装ができる万能型。建築外装にも使用。外壁、アルミ枠、屋根まわりなど
ポリウレタン系弾力性に優れ、動きの大きい目地に対応。コンクリート・サッシ接合部など
アクリル系室内用。塗装とのなじみがよく、乾燥も早い。内装の小さな隙間、下地処理用など

特にガラス施工の場合は、中性シリコン系または変成シリコン系が一般的です。
耐候性が高く、紫外線による劣化を防ぎながら長期間安定した性能を発揮します。

まとめ|美しさと機能を両立するために

ガラスへのコーキングは、単なる“最後の仕上げ”ではなく、建物の性能とデザインを左右する重要な工程です。
正しい材料選びと確実な手順で施工することで、見た目の美しさだけでなく、建物全体の精度向上に貢献します。

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